ブリヂストンは2024年3月29日、高い走破性と耐久性の両立が可能な新型の月面探査車用タイヤを開発したと発表した。
同社は、ラクダの足裏に着想を得た金属製の柔らかいフェルトをトレッド部の接地面に配置した、第1世代の月面探査車用タイヤをすでに開発している。同タイヤは、月面の細かい砂との摩擦力を高めることで高い走破性を実現した。
新型のタイヤでは、同社が空気充填不要の次世代タイヤで培ってきた技術を活用。新たに薄い金属製スポークを採用し、トレッド部を回転方向に分割した。これにより、激しい温度変化や放射線にさらされた岩や砂などの過酷な月面環境下でも、高い走破性と耐久性を両立させることを目指す。
金属製スポークの形状や厚みを構造シミュレーションによって最適化。変形しつつも局所的なひずみを最小限にすることで耐久性を高めた。また、分割したトレッド部によって設置面積が拡大し、タイヤが沈みにくくなることで走破性を向上した。
同社では、中期事業計画において月面探査車用タイヤプロジェクトを探索事業として位置づけている。
なお、今回開発した新型月面探査車用タイヤのコンセプトモデルを、2024年4月8日~11日の間、アメリカのコロラドスプリングス市で開催される宇宙関連シンポジウム「第39回 Space Symposium」で初展示する。
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