陸上移動と飛行を両立する、モジュール式の「空飛ぶクルマ」――中国で型式証明を申請

中国のXPENG AEROHTは2024年3月25日、同社が「Land Aircraft Carrier(陸上の航空母艦)」と名付けた電気自動車に搭載する、モジュール式の空飛ぶクルマ(コードネーム:X3-F)について、型式証明の申請を中国民用航空局(CAAC)が受理したと発表した。

同社は、2024年1月にラスベガスで開催されたCES 2024において、Land Aircraft Carrierを発表した。そこで、2024年の第4四半期に予約販売を開始し、2025年の第4四半期に個人客への納入を開始する予定であることを発表した。

Land Aircraft Carrierの構成は、垂直離着陸機の「飛行モジュール」と、電気自動車の「地上モジュール」からなる。地上モジュールは、4~5人乗りで、後輪操舵機構を持つ6輪の全輪駆動車だ。航続距離の長い電気パワートレインを持ち、飛行モジュールを充電できる。

飛行モジュールは、垂直離陸と低高度飛行に対応する、完全電動のeVTOLだ。2人乗りの操縦席からは、270度の視界が確保されている。地上モード時にはローターなどの飛行関連の機能を格納し、飛行モード時にはアームが開いて飛び立つ。

今回の型式証明の申請は飛行モジュールに関するもので、中国企業が開発した、初の個人ユーザー向け有人電動垂直離着陸機と位置付けられている。

同社は2022年に、重量約2トンの試作機の飛行に成功しており、個人利用のみならず、緊急救助のような公共サービスでの航空輸送も期待されている。関連する政策、規制、応用のシナリオが整えば量産に移る予定だ。

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