Li-S Energyの半固体リチウム硫黄バッテリー「GEN3」が、重要な安全性テストに合格

Li-S Energy/YouTube

バッテリー技術を開発する豪Li-S Energyは、同社の半固体リチウム硫黄(Li-S)バッテリーセル「GEN3」が、厳しい条件の一つである「釘刺し試験」に合格したと発表した。

試験は、防爆試験室内でバッテリーセルを鋼鉄製の釘で貫通させる。今回の試験では同社が、直近数カ月の間にビクトリア州ジーロングの第2期マイクロ生産ラインで製造した、多層2.5Ahリチウム硫黄セルを使用した。

試験用のセルは、充電状態は0~100%まで20%刻みで、セル寿命は初期、中期、末期の3段階として、合計で28個を使用した。試験の結果、民生規格のUL2271とUL2580、航空宇宙用途の米軍性能仕様MIL-PRF-32383/4Xが規定する要件を上回った。

さらに、比較としてフル充電の2.5Ah Li-S Energyセルと、国際的な知名度をもつ他メーカーの同等品とを比較した。その結果、他社同等品は釘の貫通で激しく発火したが、Li-S Energyのセルには全く変化が生じなかった。

同社のターゲットであるドローン、電動航空機、防衛の各用途では、バッテリーに起因する火災は大惨事につながる。今回の結果は、Li-S Energyのバッテリーセルは釘で貫通しても安全であり、損傷を受けても機能し続けることを示すものだと、同社は説明している。

同社は今後数カ月の間に、破砕、外部短絡、落下、振動、高高度、熱(高温/低温)の各条件での試験を実施する。また、特定のパートナーが要件とする広範なサイクル試験を含む一連の安全性試験を実施し、バッテリーセルの性能に関するデータシートを確定する予定だ。

関連情報

Li-S Energy takes significant step towards proving the safety of its semi-solid-state lithium sulfur batteries – Li-S Energy

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