UKAEA、光学歪みを最大75%削減する光学ビューポート技術を開発

イギリス原子力公社(UK Atomic Energy Authority:UKAEA)は2024年4月9日、核融合エネルギーや量子物理学などの用途向けに、光学歪みを最大75%削減する光学ビューポート技術を開発したと発表した。

UKAEAの特殊技術グループ(Special Techniques Group:STG)は、核融合エネルギー研究の重要な一環として、核融合装置で使用される高性能光学ビューポートの製造に関する専門知識を構築している。

今回STGは、イギリス政府技術移転庁(Government Office for Technology Transfer:GOTT)の知識資産助成基金の支援を受け、さらに量子物理学のような他の分野のビューポート性能を強化するためのプロジェクト「Solace」を完了した。

同プロジェクトは、光学ビューポートのユーザーから「どのようなパラメーターが重要であるか」というフィードバックを収集し、それらの要件を満たすビューポート設計を最適化するためのモデリングツールを開発することに重点が置かれている。

量子物理学の顧客からのフィードバックとしては、トラップされた原子による測定の歪みを減らすために、ビューポートの光学的平坦度がもっとも重要であった。モデリングツールの開発後、STGはFrazer Nash Consultancyに複数のビューポート設計オプションの評価を依頼し、ベースライン設計と比較して光学歪みを最大75%削減できることを確認した。

また顧客は、顕微鏡や磁石、その他の装置に合わせてビューポートの形状をカスタマイズできるSTGのカスタムエンジニアリングを高く評価している。

これらの設計は、航空宇宙やビームライン科学、高出力レーザー用途など、さまざまな分野や世界市場で利用可能となり、製造上の課題にソリューションを提供するという。

関連情報

UKAEA develops optical viewport technology for quantum physics – GOV.UK

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