世界最大の光学望遠鏡稼働に向け、観測装置の製造を開始

イギリスのUK Astronomy Technology Centre(UK ATC)は2024年5月15日、超大型望遠鏡(Extremely Large Telescope:ELT)の重要な構成部品となる装置の製造を開始すると発表した。

イタリアのコロッセオとほぼ同じ大きさのELTがチリのアタカマ砂漠で建設されており、完成すれば世界最大の光学望遠鏡となる。このELTを所有するヨーロッパ南天天文台は2024年5月、UK ATCを含む複数の場所で望遠鏡のための装置の製造を開始すると発表した。2028年の稼働に向けて、まず中間赤外線観測装置(METIS)を製造する。

METISは、銀河の形成と進化を探る研究に役立つ可能性のある宇宙からの光信号を、中間赤外スペクトルで記録できる。惑星はガスと塵の原始惑星系円盤の中で生まれると考えられているが、この円盤から放射される可視光は宇宙空間の塵に吸収されるため、中間赤外線の観測がこの研究には欠かせない。

UK ATCの所長であるGillian Wright教授は「METISによって、より正確に中間赤外光を観測できるようになり、宇宙における私たちの位置づけに関する理解がより深まることになるだろう」と強調した。

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