- 2024-6-25
- 化学・素材系, 技術ニュース, 海外ニュース
- Rajeev Roychand, コンクリート舗装, コーヒーの粉(コーヒーかす), バイオ炭, ロイヤルメルボルン工科大(RMIT), 有機性廃棄物, 温室効果ガス
豪ロイヤルメルボルン工科大(RMIT)の研究チームは5月22日、メルボルン郊外に、世界初となる抽出後のコーヒーの粉(コーヒーかす)を使ったコンクリート舗装の歩道を整備したと発表した。
生ごみなどの有機性廃棄物から発生する温室効果ガスは全体の3%を占めているといわれる。RMITのRajeev Roychand博士らは、生ごみを建設業界向けの資源として有効活用するプロジェクトに取り組んでおり、コーヒーかすのコンクリートへの転用はその一環だ。
生ごみを単にコンクリートに加えるだけでは、腐敗が進んで建築資材としての耐久性を維持できない。研究チームはこの課題を解決するため、コーヒーかすからバイオ炭をつくり、バイオ炭によってコンクリートの強度を30%高める技術を開発した。
オーストラリアで排出されるコーヒーかすは毎年7500万kgに及び、そのほとんどは埋め立て処分されている。RMITによると、コーヒーかすは密度の高い素材であるため、この技術によってコンクリートに用いる砂利6億5500万kgを代用できるという。
Rajeev Roychand氏は今後の展望について「コーヒーだけでなく、他の生ごみに対してもこの研究を拡張して有効活用していきたい」と強調した。
関連情報
RMIT and council trial world-first coffee concrete footpath – RMIT University