安全性が向上し、材料調達が容易なナトリウムイオンバッテリーを開発 米UNIGRID Battery

ナトリウムイオンバッテリーを開発する新興企業の米UNIGRID Batteryは2024年6月13日、同社のシリーズA資金調達ラウンドについて、募集額を超える1200万ドル(約19億円)を獲得して成功裏に完了したと発表した。

同社のナトリウムイオンバッテリーは独自の合金負極技術を採用し、ナトリウムイオンの課題であるエネルギー密度を改善した。ナトリウムイオンの体積エネルギー密度を2倍にし、リン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーのエネルギー密度を上回った。

同バッテリーは、リチウム、コバルト、ニッケル、銅などの主要/希少材料を完全に排除したことで、kWh当たりの価格はリチウムイオンバッテリーの約半分になる。また、不燃性、広い動作温度範囲、自己放電の抑制に加え、サイクル寿命と経年寿命が長い。

同社の技術的な強みは、従来のリチウムイオンバッテリーの製造インフラとの互換性と、既存のサプライチェーンで材料をすぐに入手できる点だ。同社は独自の製造設備は持たず、製造パートナーと協力し、既存インフラを活用した製品展開を目指す。

同社が狙う市場は、定置型蓄電池の分野に限定せず、電動モビリティ、電力網の緊急バックアップや負荷の平準化、産業用の移動機器や海運など多岐に及ぶ。同社は、今回獲得した資金で、製造と顧客対応の能力を増強する計画だ。

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