宇宙に漂う大型デブリ、アストロスケールが接近に成功し撮影された画像を公開

アストロスケールは2024年6月14日、宇宙デブリの除去を試みるための実証衛星「ADRAS-J」が、大型デブリに対して約50メートルまでの接近に世界で初めて成功し、撮影された画像を公開した。

運用を終えた人工衛星などの商業デブリは外形や寸法などの得られる情報が限られており、位置データの提供を受けることができない。デブリ除去のためには、その劣化状況や軌道上での状態を把握し、デブリに近づくための技術が不可欠だ。アストロスケールは2024年2月から、運用を終えた全長約11メートルのロケット上段の商業デブリへ接近し、損傷・劣化状況を確認し撮影するミッションに取り組んでいる。

ADRAS-Jは、2024年2月18日に米Rocket LabのElectronロケットにより打ち上げられ、同月22日よりデブリへの接近を開始した。4月17日には数百メートルの相対距離まで接近することに成功。さらに、5月23日にはデブリの後方50メートルに接近し、デブリの定点観測も行った。

今後、ADRAS-Jはさまざまな制御された接近操作を通じてロケット上段の撮影をさらに試みる予定だ。収集された画像とデータは、デブリに関する理解を深め、将来実際にデブリの除去作業を行う際の重要な情報になると考えられている。

関連情報

アストロスケールの商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」、 デブリから約50mの距離にまで接近に成功 (Historic Approach to Space Debris: Astroscale’s ADRAS-J Closes in by 50 Meters)

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