水深2150mに海底ケーブルを敷設して世界最深を達成 伊Prysmian

電力/通信ケーブル製造大手の伊Prysmianは2024年7月8日、500kVの高圧直流送電(HVDC)ケーブルを、水深2150mの海底で試験的に敷設することに成功したと発表した。この水深は業界の新記録で、敷設作業には最新鋭の敷設船「Leonardo da Vinci」を導入した。

ケーブルの外装には、高弾性の合成繊維をベースにした複合材料を採用したことで、水中では従来の鋼製ケーブルよりも50%軽量になった。また、Leonardo da Vinciの導入によって、2000mを超える深海でケーブルを敷設し保守する体制の目処が立った。

この技術は、すでにギリシャの島々を結ぶ海底ケーブルプロジェクトで実証されている。2019年には、エヴィア島、アンドロス島、ティノス島間(水深550m)、2020年にはクレタ島、ペロポネソス半島間(水深1000m)で使用された。

Prysmianの技術は、イタリアの送電事業者Ternaが推進するプロジェクト「Tyrrhenian Link」にて活用される予定だ。同プロジェクトは総事業費が17億ユーロ(約2846億1200万円)で、サルデーニャ島、シチリア島、カンパニア州を結ぶ合計1500km以上の海底ケーブル網を構築し、地中海のエネルギーハブとしての役割の強化を目指す。

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Record breaking submarine cable installation at 2,150 m water depth | Prysmian

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