- 2024-8-5
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- JRD Propulsion, YouTube, サーボモーター, ジンバル機構, ダンパー, フライトコンピューター, モデルロケット, 垂直着地, 推力ベクトル制御装置, 推力ベクトル制御(TVC: Thrust Vector Control)
YouTubeチャンネル「JRD Propulsion」は2024年7月6日、推力ベクトル制御装置やフライトコンピューター、着地用の脚を装備したモデルロケットが垂直着地に成功した動画を投稿した。このロケットを製作したのは、モンゴメリー高校の学生Aryan Kapoor氏だ。
動画では、ロケットの発射と垂直着地の映像に続き、Aryan Kapoor氏がこのロケット製作の経緯や主要な構造を説明している。2021年8月に製作に着手して約3年間、試作とテストを通して多くの失敗を重ね、今回ようやく着地に成功した。
ロケットエンジンは、上昇用と降下用を上下に重ねて搭載する。上昇用エンジンは、燃焼が終わるとスプリングで排出される機構だ。
姿勢制御は、通常のモデルロケットが使用するフィンで安定させる方式ではなく、推力ベクトル制御(TVC: Thrust Vector Control)を使用した。2個のサーボモーターでエンジンの方向を調整するジンバル機構によって、ロケットの軌道を制御している。
着地用の4本の長い脚には、着地時の衝撃を吸収するダンパーとしてプラスチック製の注射器を装着した。着地後はダンパーに取り付けられたゴムバンドが、ダンパーを元の位置にゆっくりと引き戻す工夫がなされている。
今回の動画では、着地時にロケットが一度バウンドした後、静止している。Aryan Kapoor氏によれば、このリバウンドは設計時点で想定内の挙動であり、近日中にロケットを改良して再テストを実施し、安定性を増す計画だ。