商用向け低濃縮ウラン燃料ペレットを初生産――原子炉運用コストを削減可能 米Westinghouse

原子燃料サプライヤーの米Westinghouse Electric Companyは2024年8月7日、商業用途向けの低濃縮ウラン(LEU)燃料ペレット「LEU+ ADOPT」の初回生産を完了したと発表した。これは米Southern Nuclearとの提携およびアメリカ合衆国エネルギー省の支援のもと可能になった。

原子力燃料として使用される標準的な低濃縮ウランでは、ウラン235の濃縮度が5%だった。それに対し、LEU+ ADOPTは、重量比で最大8%のウラン235と添加剤を含む。この添加剤は標準的な二酸化ウラン(UO2)と比べて燃料の安全性能を向上させるものだ。またLEU+ADOPTは、5%のウラン235と比較して、原子炉の炉心内の交換バンドル数を減らしながら、より多くの電力を生成できるため、運転中の原子炉における核燃料サイクルの経済性を向上させ、運用コストの削減につながる。

LEU+ ADOPT核燃料ペレットは2025年春に初めて市場導入される見込みだ。その際、Southern NuclearのVogtle 2号原子力発電所の先行試験燃料集合体に組み込む予定となっている。カーボンフリー電力の需要が増す中、濃縮度5~10%のLEU+ ADOPT燃料は原子力発電所で必要な停止回数を減らすことから、その需要は今後数年間で大幅に増加すると予想されている。

Westinghouseは、スウェーデン、イギリス、アメリカにある製造施設を通じて燃料技術を提供している。今回はイギリスのSpringfields燃料製造施設でLEU+ ADOPTが生産された。

関連情報

Westinghouse Marks First Production of LEU+ ADOPT™ Fuel Pellets

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