日本精工(NSK)が、グリース潤滑での高速化に対応した工作機械主軸用精密単列円筒ころ軸受「ロバストライド」を開発した。
工作機械の主軸用軸受の潤滑方式として、電力消費量が少ない「グリース潤滑」に注目が集まっている。しかし、同方式では運転時の給油がないためグリースが劣化しやすく、軸受の交換頻度が高くなってしまうという課題があった。また、高速回転時にグリースが劣化しやすく、回転速度域に制限があった。
今回開発した軸受は、グリースの封入量を増やしたことでグリース寿命が改善した。また、保持器の耐久性を向上させ、軸受の許容回転数も増やすことで、グリース寿命を従来品から最大約60%向上させた。許容回転数も同じく最大約20%向上させている。
さらに、ころ案内保持器を採用することでグリース慣らしの効率を向上させ、グリース慣らし運転時間を従来品の約3分の1に短縮した。
同製品は2025年度の量産化を予定しており、2030年にグローバルで年間10億円の売り上げを目指す。