- 2024-11-14
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台湾の全固体電池メーカーProLogium Technologyは2024年10月14日、パリモーターショー2024にて、100%シリコンコンポジットによるアノード(負極)を搭載したリチウムイオン充電池を初公開した。
同製品は、体積エネルギー密度749Wh/L、重量エネルギー密度321Wh/kgを達成しており、2024年内に823Wh/L、355Wh/kgを目指すという。この重量エネルギー密度は、現在のリチウムイオンバッテリーで主流のリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(200Wh/kg未満)や三元系バッテリー(200~300Wh/kg)を上回るものだ。
急速充電性能も一般的なリチウムイオンバッテリーより優れている。技術、安全、証明サービスに関する認証を行う独TÜV Rheinlandのテストデータによると、5分で充電容量5%から60%、8分半で80%まで充電できる。5分間の充電で約300kmの走行が可能となり、60%充電時間の業界平均である30分から大幅に短縮されることで、充電ステーション不足や長い待ち時間を解消できるとしている。
また同社によれば、この新型バッテリーによって総エネルギー容量を従来の66%(83kWhから55kWh)に減らすことで車両重量を300kg削減できるという。さらに、エネルギー効率を高め、走行距離の拡大が可能だとしている。これは炭素税の軽減や車両の初期コスト低減にもつながる上、モジュール設計により修理やセルのリサイクルが容易となるため、メンテナンス費用を削減できるほか、中古EVとしての再販価値も高められるという。