NASAの静音超音速研究機X-59、エンジンを初めて始動――2025年初頭に初飛行予定

NASA/Carla Thomas

アメリカ航空宇宙局(NASA)は2024年11月6日、静音超音速研究機「X-59」のエンジンを初めて始動したと発表した。X-59のこれまでのテストでは外部電源を使用していたが、今回、X-59のシステムが自らのエンジンで動作することが確認できた。

X-59は、NASAのQuesstミッションの中心的な存在だ。超音速飛行の際、従来はソニックブームという大音響が発生していたのに対し、より静かに飛行することを目指している。ミッションでは、人々がこの音をどのように知覚するかのデータを収集する予定だ。これは、陸地上空での商業超音速飛行の禁止措置を解くのに役立つ可能性がある。

X-59に搭載されている改良型「F414-GE-100」エンジンは、2万2000ポンド(約9万7860N)の推力を発生する。これにより、X-59は高度約17kmでマッハ1.4の巡航速度に到達する予定だ。従来とは異なりエンジンが機体の上部に設置されていることが、静音化に役立っている。

今回のエンジン稼働テストは、カリフォルニア州にあるLockheed MartinのSkunk Worksの施設で、同年10月30日に開始された。テストは段階的に行われ、初めは点火せずにエンジンを低速で回転させて、漏れがないことと、すべてのシステムが適切に作動していることを確認した。次に、燃料を注入し、低出力でのエンジンテストを開始した。これはエンジン出力中に、エンジンや他の航空機システムが異常や漏れなく作動するかを確認することを目的としている。

このテストの重要な段階に到達するには多くの課題があるため、X-59の初飛行は今のところ2025年初頭になる見込みだ。チームは引き続き、地上を走行するタキシングテストなど、重要な地上テストを進める。後半の段階では、急激なスロットル変更を伴う高出力でのテストや、実際の飛行条件のシミュレーションをする予定となっている。

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X-59 Fires Up its Engine for First Time on Its Way to Takeoff

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