MIT、より少ない材料でビルを設計するアルゴリズムの研究

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マサチューセッツ工科大学(MIT)の博士課程の学生Jackson Jewett氏が、より少ない材料で大きな構造物を設計するためのアルゴリズムの開発を進めている。同研究は、建築業からの高い二酸化炭素排出量の抑制に貢献するという。

Jackson Jewett氏は、カリフォルニア大学バークレー校で認知科学の学位を取得し、建築史を副専攻して卒業した後、2017年にMITの土木環境工学の修士課程に入った。そこで彼は、同学科で新しく採用されたJosephine Carstensen講師のトポロジー最適化に関する研究に興味を持った。トポロジー最適化は、限られた量の材料しか使用せずに、要求性能を達成できる構造物を設計するためのアルゴリズムである。彼は、特に同アルゴリズムのコンクリート設計への応用に興味を持ち、その実証に協力した。

修士号取得後、彼はニューヨークで建築工学技術者として1年半を過ごした後、Josephine Carstensen氏がMITの教授として採用されると、博士課程の学生として研究室に加わった。

現在、博士課程3年目の彼の学位論文は、修士論文を基に、より少ない材料でビル規模のコンクリート構造物を設計できるようにアルゴリズムを改良し、建築業からの二酸化炭素排出量の削減に貢献するものである。コンクリート産業だけで、世界の炭素排出量の8%を占めると推定されており、同研究の取り組みは、気候変動対策に大きく役立つ可能性がある。

トポロジー最適化は、発展途上の分野であり、先行研究の大部分は実験的検証を伴っていない。彼の研究は、さまざまな実証研究へと発展される先駆けとなりうる。

博士課程に入る前に産業界で働いていた彼は、実践的な研究対象に興味があり、現在、トポロジー最適化を用いて、製造コストが高くなりやすい、橋や建物などの構造物を構成するための効率的な構成要素を探索している。

「私の博士論文は2025年に完成しますが、仕事はまだ終わりません。地球の気温が上昇しすぎる前に結論を出すためには、今の仕事を完成して実行に移すまでの時間は、あまりありません。また、本プロジェクトが終わった後も、他の材料や施工法について考え続けたいと思っています」と、彼は述べた。

関連情報

Jackson Jewett wants to design buildings that use less concrete | MIT News | Massachusetts Institute of Technology

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