NASA、小惑星ベンヌからのサンプルリターンに成功――採取した試料が入ったカプセルを無事に回収

Credits: NASA/Keegan Barber

NASAの宇宙探査機「OSIRIS-REx」は、小惑星ベンヌから採取された岩石とちりが入ったカプセルを、無事に地球へ送り届けることに成功した。2023年9月24日午前8時52分(米国山岳部夏時間)に米ユタ州ソルトレークシティー近郊にある、米国防総省ユタ試験訓練場の目標地域に着陸したカプセルは無事回収され、着陸後1時間半以内に訓練場内の格納庫に設置された仮設クリーンルームへ移送された。

2016年9月8日に打ち上げられたOSIRIS-RExは、2018年12月3日に小惑星ベンヌに到着。2019年から2020年にかけて安全なサンプル採取地を探索し、2020年10月20日にサンプルを採取。2021年5月10日から2年4カ月余りの年月をかけての帰還となった。

OSIRIS-RExはベンヌまで数十億kmを往復した後、2023年9月24日午前4時42分(米国山岳部夏時間)にサンプルカプセルを地球の大気圏に向けて放出。カプセルは、同日午前8時42分(米国山岳部夏時間)にカリフォルニア沖で大気圏に突入した後、2つのパラシュートを展開して減速し、大気圏突入後10分以内に試験訓練場内に着陸した。

NASAは、ベンヌから回収されたサンプルは、惑星の形成や地球に生命をもたらした有機物や水の起源をより深く理解するための発見に役立つだけでなく、潜在的に危険な小惑星について、より多くを学ぶことで全人類に利益をもたらすだろうとしている。

推定約250グラムのサンプルは、未開封のキャニスターに入ったままの状態で、2023年9月25日にNASAジョンソン宇宙センターに航空機で輸送された。同センターでキャニスターを分解し、サンプルを取り出して重量計量や岩石とちりの一覧表作成をした後、ベンヌからのサンプルは徐々に世界中の科学者に配布されることとなる。

関連情報

NASA Finalizes Coverage for First US Asteroid Sample Landing – NASA
NASA’s First Asteroid Sample Has Landed, Now Secure in Clean Room – NASA

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る