トポロジカル絶縁体の超電導界面で超伝導電流の整流効果を観測――磁場で制御可能な超伝導電流ダイオードへの応用に期待 理研

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界面における超伝導と磁場下での超伝導電流の整流効果のイメージ

理化学研究所(理研)は2019年6月21日、トポロジカル絶縁体の超伝導界面において、超伝導電流の整流効果を観測したと発表した。

今回の研究成果は、安田憲司客員研究員(マサチューセッツ工科大学博士研究員)、十倉好紀グループディレクター(東京大学大学院工学系研究科教授)、川﨑雅司グループディレクター(東京大学大学院工学系研究科教授)、東北大学金属材料研究所の塚﨑敦教授らの共同研究グループによるものだ。

共同研究グループは、トポロジカル絶縁体表面状態と超伝導が共存しているFeTe(Fe:鉄、Te:テルル)とBi2Te3(Bi:ビスマス、Te:テルル)の積層界面に着目。いずれの物質も単体では超伝導を示さないが、これらの積層界面では超伝導を発現することが分かっている。分子線エピタキシー法でFeTeとBi2Te3の積層構造を作製し、試料を極低温で測定したところ、7K(約-266℃)程度で抵抗が0となり、界面において超伝導が発現していることが確認された。

そこで、界面に平行(面内)に磁場を加えた状態で、整流効果(ダイオード効果)を非相反抵抗を通して測定。その結果、常伝導状態では、非相反抵抗は0であるのに対し、部分的に超伝導に転移した温度では、有限な非相反抵抗が生じ、整流効果が現れることが示された。特に、磁場方向の反転に伴って、非相反抵抗の符号が反転する重要な性質を確認した。これは、超伝導電流の流れやすい方向を外部から加える磁場の方向で制御できることを意味している。

この研究結果から、トポロジカル絶縁体と超伝導体との接合によって、超伝導電流の流れる方向を効果的に制御できることが明らかになった。これは、磁場で制御可能な超伝導電流のダイオードとしての応用が期待できる。また、この研究によって、スピン運動量ロッキングと超伝導の相互作用の理解が深まったことで、トポロジカル超伝導体、マヨラナ粒子やトポロジカル量子計算の実現に向け、一層の研究が進展することが期待できるという。

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