地震発生前に70%の確率で予測するAIを開発

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米テキサス大学オースティン校は2023年10月5日、開発したAIアルゴリズムが、中国において、地震発生の1週間前に70%の地震を正確に予測したと発表した。試験は7カ月間行われた。

AIは、過去の地震と対にしたリアルタイムの地震データから、統計的な変動を検出するように訓練され、地震が発生すると推定される場所から約200マイル以内で、ほぼ正確に計算された強さの地震を14回予測することに成功した。30週間の試験期間中、予測できなかった地震は1件、誤報は8件だった。

本試験は中国で開催された国際コンペティションの一環で、テキサス大学オースティン校が開発したAIは、他のエントリーした600のデザインの中から1位に選ばれた。テキサス大学のエントリーは、地震学者でAIの開発責任者であるYangkang Chen氏が主導した。試験の成果は、学術誌『Bulletin of the Seismological Society of America』にも掲載されている。

研究者らによれば、彼らの方法は比較的単純な機械学習アプローチに従うことで成功したという。AIは、地震物理学に関する研究チームの知識に基づいた統計的特徴を与えられ、5年間の地震記録のデータベースで学習するよう指示された。学習後、AIはバックグラウンドの地鳴りの中から地震発生の兆候を聞き取って予測を行ったのだ。

研究者たちは、カリフォルニア、イタリア、日本、ギリシャ、トルコ、テキサスなど、地震追跡ネットワークがしっかりしている所では、AIの精度を向上させ、予測を数十マイル以内に狭めることができると確信しているという。

次のステップの一つは、テキサス州でAIをテストすることだ。テキサス州では、マグニチュードの小さい地震や中程度の地震が高い確率で発生している。TexNetには300の地震観測点があり、6年以上の連続記録があるため、この手法を検証するには理想的な場所といえる。

研究者らは最終的に、このシステムを物理学ベースのモデルと統合したいと考えている。データが乏しい場所や、何百年も前に最後の大地震が起きたカスケード山脈のような場所では、このシステムが重要になるかもしれない。

関連情報

AI-Driven Earthquake Forecasting Shows Promise in Trials – UT News

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