- 2024-2-2
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- LiDAR(Light Detection and Ranging), Stéphen Rostain, アマゾン, アンデス山脈, ウパノ文化, ウパノ渓谷, キラモペ文化, レーザー計測装置, 先ヒスパニック期, 米国科学振興協会(AAAS), 農耕民族
米国科学振興協会(AAAS)は2024年1月11日、レーザー計測装置を使用して、アマゾン上流部に、先ヒスパニック期の都市システムの遺跡を発見したと発表した。2500年以上前、アンデス山脈の東麓に位置するウパノ渓谷に、農耕民族の文明が存在した可能性がある。
この調査は、考古学者Stéphen Rostain氏らのチームが、20年以上にわたる現地調査と、レーザー計測技術であるLIDAR(Light Detection and Ranging)を使用した研究成果だ。
調査対象となった300km2の地域では、人工的な長方形の土塁と広場が6000カ所以上発見された。これらは広大な農地と河川流域に囲まれ、大小の道路で結ばれており、過去の調査記録にない大規模な都市が存在した証拠だとされる。
また、クラスター的に配置された構造物から、少なくとも15件の集落跡が特定された。これらの土地利用は、紀元前500年に始まって紀元後300年から600年の間、キラモペ文化と後のウパノ文化を持ったグループによるものと推定されている。
Rostain氏らは、特に注目すべきは、都市の中心地と周辺地域を結ぶ、広範囲にわたる複雑な道路網だと指摘する。さらに、アマゾン上流部における大規模な開発の跡は、中央アメリカのマヤの都市システムと類似していると説明している。
Rostain氏らは今回の発見について、環境と文化の両面からアマゾンの遺産であり、先住民族の遺産を過小評価していたことを指摘した。今後、アマゾンの世界に対する認識を改める必要があると述べた。