超高張力鋼板のスプリングバック抑制成形技術が、車両のロッカーインナー製造に採用 JFEスチール

JFEスチールは2024年6月12日、独自技術の「壁折リストライク工法」が、国内自動車メーカーの国内向け車両の骨格部品であるロッカーインナーの製造に、1180MPa級高張力鋼板のプレス成形時のスプリングバック抑制成形工法として採用されたことを発表した。協豊製作所との共同開発により、壁折リストライク工法の量産金型への適用を達成している。

一般的に鋼板のプレス成形時は、金型からプレス品を取り出す際に、元の形に復元するスプリングバックと呼ばれる現象への対応が必要になる。超高張力鋼板は車体軽量化に貢献する素材だが、プレス成形時の応力が通常の鋼板に比べて高くなり、スプリングバック量が大きくなる。スプリングバックは発生すると、目標と異なる形状になることから、適用拡大の阻害要因になっていた。

そのため、超高張力鋼板であってもスプリングバックを抑制する成形工法が求められており、JFEスチールは壁折リストライク工法を開発した。スプリングバックは一般的に、プレス成形時に材料に残る応力を低減する、もしくはプレス部品にスプリングバックの要因応力を相殺させる応力を付与することで小さくなる。壁折リストライク工法は、多工程あるプレス工程の前工程形状を最適化し、スプリングバックの要因応力を相殺させる応力を付与する。

壁折リストライク工法の採用対象は、ドアの車両下部に配置される骨格部品のロッカーインナーで、協豊製作所が量産している。

関連情報

JFE独自技術『壁折リストライク工法』が国内大手自動車メーカーの部品製造に採用~超高張力鋼板のスプリングバック抑制成形技術を開発~JFEスチール株式会社

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