三菱電機は2020年8月25日、パワー半導体の新製品として「IGBTモジュール Tシリーズ 産業用LV100タイプ」5品種を発表した。同年9月より順次販売を開始する。
今回パッケージに採用されたLV100タイプは、鉄道や電力用途で広く用いられている同社の共通外形パッケージで、新たに産業用途向けに最適化された。太陽光や風力発電などの再生可能エネルギー電源用インバーターなどの電力変換装置や、大容量のモータードライブ装置での用途が見込まれる。また、今後の産業用途向けパッケージの標準化にも寄与することが期待される。
キャリア蓄積効果を利用した同社独自の「CSTBT」構造が採用された第7世代IGBT・RFCダイオードを搭載しており、電力損失を低く抑えた。また、パッケージ構造の最適化により電流密度が17.14A/cm2と高くなっており、電力変換装置やモータードライブ装置の小型化に寄与する。
絶縁部と銅ベース部を一体化した構造を採用することでサーマルサイクル寿命が長くなったほか、内部電極構造を最適化したことでパッケージインダクタンスが低減し、信頼性が向上している。
さらに、端子配列を最適化したことで並列接続が容易になっており、さまざまなインバーター構成および容量に対応可能となった。また、AC主電極を3端子に増やして電流を分散することで電極端子の発熱を緩和することが可能となっており、高出力化に寄与する。
1200V/800Aから1700V/1200Aまでの5品種がラインナップに揃えられており、外形サイズは100×140×40mm。サンプル価格は46,000円〜68,000円(税抜)となっている。