世界初の型式証明を取得した自律飛行型eVTOL機が、サウジアラビアで初飛行

中国のEHang Holdingsは2024年6月12日、同社の自律飛行型eVTOL機「EH216-S」が、サウジアラビア王国で開催されたイベントで初飛行したと発表した。同機は、無人操縦のエアタクシーとして運用される。

EH216-SはEHangが製造する主力機種で、中国民用航空局によって世界初の型式証明を取得した旅客輸送型無人機だ。メッカで実施されたデモ飛行には、安全が確保された空域が用意された。

本イベントは、サウジアラビア民間航空総局（GACA）を含む、主要な政府機関の支援を受けて開催された。この初飛行の成果は、中東と世界の都市航空モビリティ（UAM: Urban Air Mobility）市場における、eVTOL技術普及の重要なステップと位置付けられている。

EHangのサウジアラビア市場への参入は、産業ソリューションを提供する企業Front Endとの戦略的協業で実現した。この協業は、サウジアラビアの経済多角化と技術革新を目指す戦略的フレームワーク「Saudi Vision 2030」に沿ったものだ。

GACA総裁のAbdulaziz Al-Duailej閣下は、「先進的な航空モビリティ（AAM: Advanced Air Mobility）のソリューションをサウジアラビアの航空政策に統合するうえで、大きな前進となる」と述べてこの飛行の重要性を強調した。

また、Front EndのMajid Alghaslan会長兼CEOは、都市交通への潜在的影響を強調し、「eVTOL機は渋滞問題に対処しつつ、王国が掲げる持続可能な未来への目標と完全に合致する、費用対効果の高い都市交通ソリューションだ」と述べた。