- 2024-7-25
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- ACS Energy Letters, ゼオライト(結晶性アルミノケイ酸塩), フィン, マサチューセッツ工科大学, 吸着剤, 学術, 有機金属構造体, 水, 水不足, 温度応答性ハイドロゲル, 空気
水不足は、依然として世界的な課題だ。大気中には何兆リットルもの水が水蒸気として存在しているが、効率よく回収するのは難しい。マサチューセッツ工科大学など複数の大学からなる研究チームが、吸着剤をコーティングしたフィンを利用して、乾燥した空気から水を効率的に採取することに成功した。このアプローチは、特に乾燥地帯で増大する水需要の解決に役立つという。研究成果は、『ACS Energy Letters』に2024年6月26日付で公開されている。
これまでに露や霧を採取する技術は開発されているが、湿度の低い環境ではこれらのアプローチは適用できないことが多い。乾燥地域でも利用できる手法として、温度応答性ハイドロゲルや有機金属構造体、ゼオライト(結晶性アルミノケイ酸塩)のような吸着材を用いて大気中の少量の水分を吸着後に、加熱することで水分を放出させる採取法が注目されている。
研究チームは市販のゼオライトでコーティングした銅発泡体の間に、薄い銅板を挟んだ吸水性のあるフィンを開発した。従来の研究が材料開発に重きを置いていたのと比較して、材料特性と吸着層の構造の両面から設計したことで、コンパクトで迅速に水を回収できる吸着フィンを開発できたという。
コンセプトの実証のため、相対湿度10%という砂漠並みに乾燥した環境下で、銅製基板上に10枚の吸着フィンを約2mm間隔で並べたところ、1時間以内に吸着フィンは飽和し、基板を184℃に加熱すると回収した水分は放出された。24回の回収/放出サイクルを想定すると、相対湿度30%の空気から、吸着性コーティング1リットルにつき1日で最大1.3リットルの飲料水が生成できる計算になる。これは、これまでに開発された装置の2~5倍の回収効率だ。
今回の研究により、乾燥した空気から1日に繰り返し水分を回収し水を採取できる可能性が示された。研究チームは、このシステムを建物や輸送車両など廃熱を発生させる既存のインフラに組み込むことができれば、費用対効果の高い乾燥地域における飲料水生成の選択肢になるだろうと述べている。
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