- 2024-8-16
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- ChatGPT, 世界知的所有権機関(WIPO), 国連, 変分オートエンコーダ(VAE), 大規模言語モデル(LLM), 敵対的生成ネットワーク(GAN), 特許出願状況, 生成AI
国連の専門機関である世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization:WIPO)が、生成AIに関する世界の特許出願状況のレポートを発表した。2014年~2023年の10年間で、最も出願数が多かったのは中国の約3万8000件で、2位のアメリカ(約6300件)の6倍にのぼった。
近年の生成AIの台頭は特許数に如実に反映されており、2014年のわずか733件から2023年には1万4000件以上に急増。2023年だけで過去10年間の累積の25%以上を占める。国別に見ると、中国とアメリカに続いて、韓国(4155件)、日本(3409件)、インド(1350件)の順となった。中国勢は企業/組織別ランキングでもTencent、Ping An Insurance Group、Baidu、Chinese Academy of Sciencesがトップ4を独占したほか、AlibabaとBytedanceがそれぞれ6位、9位にランクインした。トップ10ではほかにIBM(5位)、Alphabet/Google(8位)、Microsoft(10位)がアメリカ勢で、その他は韓国のSamsung Electronicsが7位となった。
生成AIのモデルとしては10年間で敵対的生成ネットワーク(GAN)が最も多く、続いて変分オートエンコーダ(VAE)、大規模言語モデル(LLM)となった。しかし、近年の伸び率ではGANは低下傾向にあり、VAEおよびLLMは直近3年間で高い成長率を示している。特にChatGPTに代表されるLLMは、2020年の53件から2023年には881件に増加した。
生成AIの入出力データの形式では、GANの主戦場である画像および動画が10年間の特許数の大半を占めた。次いで、LLMが得意とするスピーチ、音、音楽がトップ5にランクインしている。残りのカテゴリーは3D画像モデル、化学分子/遺伝子/タンパク質、コード/ソフトウェアだが、トップ5に比べると特許数ははるかに少ないようだ。また、生成AIの応用分野としてはソフトウェア、ライフサイエンス、文書管理および出版がトップ3となり、ビジネスソリューション、産業および製造などが続いた。
関連情報
Patent Landscape Report – Generative Artificial Intelligence (GenAI)