- 2017-9-8
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- Chem, Huisheng Peng, Yonggang Wang, ナトリウムイオン電池, 中国復旦大学
中国復旦大学の研究チームは、生理食塩水などを電解質に使用した安全性の高いナトリウムイオン電池を開発し、化学誌『Chem』(Volume 3、Issue 2、2017年8月10日)に発表した。
近年、ウェアラブルデバイスやインプラントデバイスの需要は拡大しつつあるが、現在使われている電池の多くは毒性や腐食性のある電解質をベースにしているため、液漏れによる人体への危険性を防ぐため頑丈で柔軟性のない金属ケースに納めなければならない。つまり、電池自体がデバイスの利用範囲を限定してしまうという課題がある。
復旦大学化学工学科Yonggang Wang教授とHuisheng Peng教授らが率いる研究チームは、電解質に生理食塩水や細胞培養液など、ナトリウムイオンを含む水溶液を使い、たとえ液漏れを起こしたとしても人体への安全性が高い2種類のナトリウムイオン電池を開発した。1つは、スチール製のネットを薄い電極フィルムで挟んだ2Dベルト形状のフレキシブルバッテリーで、もう1つは電極として機能するナノ粒子でコーティングした一次元のカーボンナノチューブを繊維状にしたものだ。これら新開発の電池は高い柔軟性と電気化学特性を示し、ウェアラブルデバイスやインプラントデバイスにも安全に使用することができることを示している。
加えて研究チームは、人体に埋め込まれた繊維状電極が酸素を消費してpHを変化させることができることに着目し、この脱酸素作用によってがん細胞や病原性細菌を撲滅するという医療分野における応用可能性についても言及している。
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