UCSD、バッテリーレスで物体間の力を測定する「フォース・ステッカー」を開発

Photos by David Baillot/UC San Diego Jacobs School of Engineering

カリフォルニア大学サンディエゴ校のエンジニアは、接触する物体間に働く力を測定できる「force sticker(フォース・ステッカー)」を開発した。このステッカーはRFIDを利用したワイヤレスデバイスで、バッテリーなしで動作し、狭いスペースにもフィットする。そのため、例えばインプラントが関節に与える力を測定するために、膝関節インプラントに使用することができる。このような力の変化を感知することで、インプラントの適合や摩耗や破損を監視することに利用できる。フォース・ステッカーはまた、倉庫の荷物の底に貼って内容物の重量を測定し、在庫をチェックするための重量計としても利用可能だ。ロボットの触覚装備、VRやARの没入体験の向上、生体医療機器のスマート化、産業機器の安全監視、倉庫の在庫管理の精度や効率の向上など、幅広い用途に応用できるとしている。

フォース・ステッカーは主に2つの部品から構成されている。厚さ数ミリと米粒ほどのサイズのコンデンサと、RFIDステッカーだ。コンデンサは、2枚の導電性銅ストリップに挟まれた柔らかいポリマーシートからなる。外力が加わるとポリマーが圧縮され、銅ストリップが引き寄せられてコンデンサ内の電荷が増加する。RFIDステッカーは、後方散乱と呼ばれる技術によって無線信号を送信することで、極めて低い電力で動作する。RFIDリーダーから入力される無線信号を受け取り、コンデンサの電荷量の変化によって信号を修正し、リーダーに反射させる。RFIDリーダーは、この変化を遠隔で測定し、加えられた力の大きさに変換する。

実証のため、研究者チームは2種類のフォース・ステッカーを作り、テストした。ひとつは、より小さな力を測定するために、超軟質ポリマーでコンデンサを作り、膝関節モデルでの実験を行った。このフォース・ステッカーは関節内に貼られ、研究者が関節を押したときのさまざまな力を正確に測定した。コンデンサをより硬いポリマーで構成した2つ目のステッカーは、倉庫の梱包実験でテストされた。箱の裏側に貼り付けられ、箱の中に入れられた様々な量の物体の重量を正確に測定した。

さらに、耐久試験の結果、このステッカーは1万回以上の力の印加に耐え、精度を維持することがわかった。また、このステッカーは低コストで製造可能であり、1枚あたり2ドル以下だという。研究チームは将来的に、フォース・ステッカーをスマートフォンで読み取れるようにし、RFIDリーダーを不要にすることを目指している。

関連情報

Wireless, Battery-free Electronic ‘Stickers’ Gauge Forces Between Touching Objects

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