- 2024-10-11
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- npj Flexible Electronics, ひずみセンサー, グラフェン, ケンブリッジ大学, サイレント・スピーチ・インターフェース(SSI)システム, スマートチョーカー, ニューラルネットワーク, 学術, 音声認識AI(人工知能)
英ケンブリッジ大学は2024年9月5日、同大学を中心とする共同研究チームが、高感度なひずみセンサーと高効率な音声認識AI(人工知能)を組み合わせたスマートチョーカーを開発したと発表した。同チョーカーは、騒音の多い環境下でも安定した音声認識性能を達成した。
サイレント・スピーチ・インターフェース(SSI)システムは、騒音の多い場所や言語障害のある人など、口頭でのやりとりが難しい場合に、発声することなく言葉によるコミュニケーションを可能にするシステムだ。
研究チームは、ウェアラブルなSSIスマートチョーカーを開発した。首に装着されたスマートチョーカーは、ひずみセンサーで喉の微小な動きを電気信号に変換し、音声認識AIモデルに入力する。
同ひずみセンサーは、繊維上にクラックのある特徴的な構造を持ったグラフェンからなる。構造化されたグラフェン層は、ひずみセンサーの感度を高め、喉の微小な動きに応答して情報量の多い音声信号を取り込めるようにした。音声信号は計算効率の高いニューラルネットワークによって処理され、音声認識の精度は95.25%を記録した。
同研究成果は、多様な状況におけるシームレスなサイレント・コミュニケーションを可能にする、実用的なウェアラブルSSIシステムを提供する。同システムは、新しいユーザーの言葉に迅速に適応して幅広い単語を解読できる。
ケンブリッジ大学のLuigi G. Occhipinti博士は、「われわれのセンサー設計とニューラルネットワークの最適化の相乗効果は、ウェアラブルなSSI技術の新たな標準を設定し、画期的な可能性を備えた快適なスマートチョーカーを提供します」と説明した。
同研究成果は2024年5月7日、「npj Flexible Electronics」誌に掲載された。
関連情報
Graphene-based wearable strain sensor can detect and broadcast silently mouthed words