IEEEがプログラミング言語人気ランキングを発表――Pythonが圧倒的だが求職市場ではSQLが首位獲得

IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers:米国電気電子学会)の情報サイト「IEEE Spectrum」は2024年8月22日、プログラミング言語の人気ランキングを発表した。

ランキングはIEEEメンバーの間で現在使用されている「Spectrum」ランキング、現代のトレンドを重視した「Trending」ランキング、雇用主が求めている「Jobs」ランキングの3つのカテゴリに分かれており、Spectrum、Trendingではいずれも「Python」が1位となった。背景にはPythonがよく使用されるAI開発の活発化や教育現場での優位性がある。学校でプログラミング言語を1つ学ぶとすれば、多くの場合Pythonが選ばれるだろう。

Jobsランキングにおいては、Pythonを抜いてSQLが首位となった。ネットワーク化されたクラウドベースのアーキテクチャが重視されるようになった今、データベース言語であるSQLが求められるのは当然と言えるかもしれない。

もちろん「Java」「Javascript」「C++」などの定番言語もトップ10にランクインしているが、昨年と比べ大きく順位を上げたのは「Typescript」と「Rust」だ。Typescriptは特にJobsランキングにおいて昨年の11位から4位に上昇した。TypescriptはJavascriptのスーパーセットだが、後者と違い静的型付け言語であるため、コンパイル時にエラー検出でき、信頼性が高いことが雇用主にとって魅力的だと考えられる。一方、RustはCやC++と同様、システムソフトウェア作成を目的とした言語だが、プログラムがメモリ上の想定外の場所に書き込めないようにするために、さまざまな手法がとられており、「メモリ安全性(Memory Safety)」が高いという特徴がある。2024年2月に発表された、CとC++に代わるメモリ安全な言語を求めるサイバーセキュリティレポートが躍進の追い風となった。

また、今年のランキングにはSalesforceのサーバーで動作するプログラミング言語「Apex」と、ブロックチェーンプラットフォーム「Ethereum」上でのスマートコントラクト作成を目的に作られた「Solidity」が初めてランクインした。反対にスタック指向のプログラミング言語「Forth」などがランキングから姿を消した。一方で、1959年に事務処理用に開発された「Cobol」を求める雇用主はいまだ一定数存在しており、多くの政府や金融システムが数十年前のインフラストラクチャに依存していることが浮き彫りになった。

関連情報

Top Programming Languages 2024 – IEEE Spectrum

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る