世界最大容量の波力発電装置を用いたプロジェクトWEDUSEA EUが正式承認

Image from OceanEnergy

2024年9月9日、英国、アイルランド、フランス、ドイツ、スペインの14機関が参加する、大規模波力エネルギーの商業化を目指す提携プロジェクト「WEDUSEA」は、欧州連合(EU)からの正式承認を得たと発表した。

総額1960万ユーロ(約31億9000万円)の同プロジェクトは、EUのHorizon Europeプログラムと英国研究・イノベーション機構の一部であるInnovate UKが共同出資し、アイルランドのOceanEnergyがコーディネートしている。

WEDUSEAで実証実験に用いられる「OE35」は、OceanEnergyが開発した世界最大容量の浮体式波力発電装置で、1MWの発電能力を擁する。海面に浮かぶこの装置の下部には空気が閉じ込められており、水面下の開口部から伝わる波圧によって水が振動し、閉じ込められた空気をタービンに通して発電する。発電された電力は海底ケーブルを通じて英国の送電網に送られる。波力発電装置の建設は、スコットランドの欧州海洋エネルギーセンター(EMEC)の波力発電試験場で2024年後半から始まり、2025年6月には実証実験を開始する予定だ。

OceanEnergyのCTOであるTony Lewis教授は「波力エネルギーは年間約30TW時の生産量を潜在的に有しており、これはヨーロッパの年間電力消費量の約10倍に相当する。WEDUSEAプロジェクトは波力エネルギーの商業的拡大、さらには産業化に向けて大きなステップとなるだろう」と強調した。

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Innovative wave energy project receives green light from EU – WEDUSEA

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