HDMI信号を0.1ミリ秒以下で長距離伝送信号へ変換する技術を開発――VRやARなどに最適 NTT

日本電信電話(NTT)は2024年10月8日、HDMI信号を0.1ミリ秒以下で長距離伝送信号へ変換する技術を開発したと発表した。同発表によると、世界最低遅延だという。既にライセンス販売を開始している。

VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などにおけるリアルタイムなコミュニケーションでは、複数の地点にて映像を同時に視聴できること(リアルタイム性)と高精細映像の双方が必要となる。IP網を用いた既存の技術では、遅延や画質、音質の低下が生じることが課題となっていた。

既存技術の課題

NTTは今回、4K120Hz、FHD240HzのHDMI信号を非圧縮のまま0.1ミリ秒以下で長距離伝送信号に変換する技術を開発した。同技術とIOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク)を併せて用いることで、動きの速い高精細な映像を劣化させずに遠隔地で再現できる。

音声を含んだ映像信号(HDMI信号)をレイヤ1信号(OTN信号)に直接収容することで、映像信号の圧縮伸張処理が不要となるため、通信による遅延や映像品質の劣化なしに遠隔地へ映像を伝送できる。

同技術は、AMDのFPGA「Vertex UltraScale+」シリーズや「Versal」シリーズ上で利用できる回路情報(FPGA-IP)となっている。サイズやポート数などに応じて、さまざまなハードウェアと組み合わせられる。

今回開発した回路とハードウェアとの組み合わせイメージ

VRやARに加えて、遠隔合奏や合唱といった遠隔アクティビティ、ディベートや漫才などの遠隔での掛け合い、工場のラインや鉄道の遠隔監視などにも適する。

関連情報

HDMI信号を世界最低遅延である0.1ミリ秒以下で長距離伝送信号へ変換する技術を開発~離れていても同一の場所にいるようなリアルタイムコミュニケーション空間の実現へ~ | ニュースリリース | NTT

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