電気炉ダストから亜鉛と鉄を同時に回収する手法を実証――複数の業種を経ていた処理の一元化が可能に JSTら

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科学技術振興機構(JST)は2019年12月26日、産学共同実用化開発事業(NexTEP)の開発課題「電気炉製鋼ダストからの高純度亜鉛と製鉄原料コプロダクションシステム」の開発結果を成功と認定したと発表した。この開発課題は、東北大学大学院工学研究科長坂徹也研究科長/教授らの研究成果をもとに、2014年3月から2019年3月にかけて豊栄商会に委託し、同社の開発研究室が実用化開発を進めていた。

電気炉で鉄スクラップを再溶解する時に発生する電気炉ダストは、約20%の亜鉛(Zn)、約30%の鉄(Fe)に加えて少量のハロゲン(塩素、フッ素)、有害元素の鉛などを含んでいるため、多くが中間処理業者に委託して処分されている。電気炉ダストから亜鉛をリサイクルする方法は従来、エネルギー効率が悪く鉄分の回収も困難なため、処理費の負担と処理後残渣の取り扱いが電気炉メーカー共通の悩みとなっていた。

豊栄商会は今回、長坂教授らの研究による石灰添加法を採用した電気炉ダストの処理方法を開発し、ベンチスケールプラントでの実証に成功した。亜鉛を高純度の金属亜鉛として、残留物は製鉄原料としてそれぞれ高効率に回収できる。従来法と比べて30%の省エネが可能で、酸化亜鉛の還元剤として一般的なコークスなどの炭材を使わないため、CO2排出量が50%減少した。

今回、電気炉ダストから高純度の金属亜鉛と製鉄原料を同時にリサイクル可能なことがベンチスケールで実証できたことから、プラントスケールへと進むための足がかりが得られた。実用化すれば、これまで中間処理、製錬、廃棄物処理と複数の業種を経ていた処理を一元化できる可能性がある。

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