- 2024-10-21
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- Mental Health and Physical Activity, VR, VR運動, ワーキングメモリ, 仮想現実, 実行機能, 新潟医療福祉大学, 活気気分, 研究, 筑波大学, 運動
新潟医療福祉大学と筑波大学は2024年10月18日、仮想現実環境(VR)と自転車運動の組み合わせが、自転車運動のみの場合よりも実行機能と気分を高め、運動時の気分の高まりが実行機能向上効果と関係することを明らかにしたと発表した。
VRを使った運動は気分を向上させる効果があることから、運動習慣化のツールとして注目されているが、脳機能への影響は明らかになっていない。このため、両大学の研究グループは、VR運動がワーキングメモリという重要な実行機能にどのように影響を与えるかを調べた。
研究では、23人の健康な大学生に対し、10分間の安静、自転車運動、VRと自転車運動を課し、その前後に心理尺度とN-Back課題(実行機能指標)の測定を行った。N-Back課題は、3つの難易度で構成され、磁気共鳴画像診断装置(MRI)の中で脳活動を観察しながら測定した。
その結果、VRを使った自転車運動では、その他の条件と比べて前向きな気分(活気気分)がより高まり、最も難易度の高い課題については、運動後に有意な課題成績の向上が見られた。さらに、活気気分の増加とともに実行機能が増加していたこともわかった。
VRを使った自転車運動による実行機能や気分の向上の神経メカニズムを特定することはできなかったが、運動による実行機能向上に活気気分の高まりが重要であり、VRはそれを可能にする環境要因となることが示された。
研究グループは「VRは気分を効果的に高めることで実行機能を向上させる新たな運動プログラムとなり得る」としている。
研究成果は同月15日、身体活動とメンタルヘルスに関する国際専門誌「Mental Health and Physical Activity」に掲載された。
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