セイコーエプソンは2024年10月28日、従来品から消費電力を56%削減した恒温槽付水晶発振器(OCXO)「OG7050CAN」を開発したと発表した。
基地局やデータセンターなどの基幹通信設備内の基準信号源には、水晶発振器の内部温度を一定にすることで周波数を安定させるOCXOが主に使用されている。近年の通信トラフィックの増大に伴い、基地局やデータセンターの電力消費量が増加することが予想されており、OCXOにも低消費電力化が求められている。
今回、同社独自の水晶デバイスと半導体、および実装技術によって、従来品より消費電力を56%、体積比を85%削減したOCXOを開発した。
本発振器では、恒温槽部のSCカット振動子の設計を変更することで小型化し、SCカット振動子を低電力で一定温度に保つ動作に最適な発信ICとヒーターICを開発した。また、恒温槽をOCXOパッケージの中に低熱伝導接着剤で接着して内部断熱性を高めた。さらに温度制御をアナログ方式からデジタル方式に変更することで、温度をより一定に保つことが可能になった。これらにより、OCXOの周波数温度特性を±50×10-9から±3×10-9に低減した。
同製品のサイズは7.0×5.0×3.3mmとなっており、2025年4月からサンプルを提供する予定だ。
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消費電力56%削減を実現した、恒温槽付水晶発振器(OCXO)を開発(2024年10月28日) | ニュース | エプソン