- 2024-12-20
- 化学・素材系, 製品ニュース
- CO2, HVO, HVO51%混合, ISCC, サステオ, ドロップイン燃料, ユーグレナ, 次世代バイオディーゼル燃料, 水素化処理植物油, 水素化植物油, 燃料, 軽油, 軽油規格, 非化石エネルギー自動車
ユーグレナは2024年12月18日、軽油にHVO(Hydrotreated Vegetable Oil:水素化植物油、以下「HVO」)51%を混合した次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を開発し、供給を開始すると発表した。軽油規格に適合しており、軽油同様にディーゼルエンジン車の公道走行に使用できる。
バイオマス(生物資源)原料を水素化処理した燃料(水素化処理植物油)であるHVOは、ドロップイン燃料として、軽油と混合でも単独でも利用できる。石油由来の軽油使用時と比べると、CO2排出量の削減効果が高く、脱炭素社会実現に貢献する燃料として欧州を中心に利用が拡大している。
しかし、100%のHVOは、日本では地方税法第144条、いわゆる軽油取引税が定める軽油の密度の下限値を下回るため、公道走行への使用には、この地方税法に基づき、製造承認を受けている施設で軽油と混合して軽油規格に適合させる必要がある。軽質なHVOは、混合比率が上がるほど地方税法上の軽油密度に適合させることが難しく、同社はこれまでHVO20%混合のサステオを主として供給してきた。
同社では、よりCO2排出量削減効果が高く、かつ、軽油規格に適合した燃料の必要性を重視して、高濃度にHVOを混合した燃料の密度をコントロールし、軽油規格に適合させたHVO51%混合のサステオを開発した。HVO51%混合のサステオは、ISCCの認定を受けたHVOを使用しており、国際的にも持続可能な燃料として認められている。
特定荷主、特定輸送事業者が、車両にHVO51%混合のサステオを専用で使用する場合、バイオ燃料の混合割合が過半を占めることとなり、改正省エネ法で提出が義務付けられている中長期計画書における「非化石エネルギー自動車」として報告できる。
HVO51%混合のサステオの使用で、CO2削減量あたりのコストを低減し、より効率的に温室効果ガス排出量の削減に貢献でき、脱炭素化が促進されることが期待される。
HVO51%混合のサステオは、いすゞ自動車が栃木工場と藤沢工場で運行するシャトルバスの燃料として使用し、石油由来の軽油、HVO20%混合のサステオと同様に走行に問題ないことを確認している。