独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」の次世代技術を公開 Honda

Hondaは2024年12月18日、「Honda e:HEV事業・技術取材会」を開催し、独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV（イーエイチイーブイ）」について発表した。Hondaのハイブリッド事業やe:HEVの進化の方向性、今後のハイブリッド車へ順次搭載を予定している次世代技術を公開した。

e:HEVは同社独自のハイブリッドシステムで、圧倒的な燃費の良さ（環境性能）と、大出力モーターによる上質で爽快な走り（走行性能）を両立している。次世代システムへの刷新により、強みをさらに磨き上げ、より魅力的なラインアップを通じた「五感に響く移動の喜び」を提供していく。

次世代e:HEVでは、小型、中型それぞれのシステムで、エンジン、ドライブユニットをはじめとする構成部品、制御技術を刷新し、環境性能と走行性能のさらなる向上を目指す。また、新たに1.5L／2.0L直噴アトキンソンサイクルエンジン、フロントドライブユニット、統合冷却システムを開発し、次世代中型プラットフォームと組み合わせて10％以上の燃費向上を目指していく。

エンジンは、出力を低下させることなく、全領域で理論空燃比を実現し、出力性能と低燃費を両立している。また、1.5Lエンジンはトルクと回転数のバランスにおいて、現行に比べ、エンジン燃焼効率が高効率となる領域を40％以上拡大し、大幅に燃費を向上する。フロントドライブユニットは、パッケージングの小型化と高効率化を両立している。また、小型／中型ドライブユニット双方の共通部を最大化する。

さらに、各ドライブモードのエンジンやモーターの高効率化を図る。エンジンドライブモードでは、エンジン直結時のトルク伝達効率の向上や、走行中のバッテリーアシストを活用して、高速クルーズ時の高効率なエンジンドライブモードの活用幅を拡大し、燃費向上を図る。さらに、エンジンの燃焼効率は1.5L／2.0Lともに、最高効率を実現する。

次世代小型e:HEVシステム

次世代中型e:HEVシステム

新機能として、「Honda S＋ Shift（ホンダエスプラスシフト）」を追加した。ハイブリッド車ならではの高い環境性能はそのままに、ダイレクトな駆動レスポンスと鋭い変速を実現する。Honda S＋ Shiftは、2025年に発売予定の「PRELUDE（プレリュード）」を皮切りに、次世代e:HEV搭載機種に順次搭載していく。

次世代e:HEVシステム搭載モデルから、EVと共用できる電動AWDユニットを採用する。機械式AWDと比較して最大駆動力を向上し、力強い発進加速性能に貢献することに加え、駆動力配分を最適化する。さらに、さまざまな路面状態でライントレース性や操縦安定性を向上させる。

また、次世代e:HEVシステムの進化にあわせ、ハイブリッド車向けプラットフォームも全面的に刷新する。新しいボディー剛性マネジメントを採用し、新たな操縦安定性の指標を採用する。これに加え、重量を現行モデル比で約90kg軽量化する。

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