ブリジストンは2016年12月13日、同社が独自開発した新しい重合触媒を用いることで、分子ミクロ構造の規則性に優れたポリイソプレンゴム(IR)の合成に成功したと発表した。
同社は独自開発のガドリニウムを用いた重合触媒を用いることで、分子ミクロ構造の規則性が天然ゴム並に優れ、分子量のばらつきが天然ゴムや従来のIRよりも小さいIRの合成に成功した。
ガドリニウム触媒は従来よりIRの分子構造を高度に制御できることが知られていたが、0℃以下という低温下でのみ使用可能であったため実用化が困難だった。今回新たに触媒の構造をデザインすることにより、40℃以上で使用してもIRの構造を制御できるようになった。
今回合成したIRを用いたタイヤ材料での性能評価の結果、耐破壊物性と低燃費性能において天然ゴムを用いたタイヤ材料よりも優れた性能を示した。これにより、天然ゴムより優れた性能を持つ次世代ゴムの実現につながる可能性があるという。
また、原料に再生可能資源であるバイオマス由来のイソプレンが使用できることから、サスティナブルマテリアルとしての利用も期待される。
今後、同社は実用プロセスの条件や安定的なイソプレン確保の検討を進め、2020年代の実用化を目指すという。