米政府、消防士の安全な活動を支援する次世代ヘルメットの開発状況を発表

Photo credit: TTU.

アメリカ合衆国政府は2023年5月4日、国土安全保障省(DHS)の科学技術総局(S&T)とテキサス工科大学(TTU)が推進する、火災や銃弾から消防士を保護するヘルメット「NextGen Firefighter Helmet」の開発プロジェクトについて、進行状況を発表した。

消防士の役割は過去数十年で大きく変化し、近年では銃乱射事件、テロ、武装集団などへの対応の必要性が高まっている。また、全米防火協会(NFPA)は、消防士の筋骨格系の損傷のうち約40%は、装着者を保護するはずのヘルメットに原因があると発表している。

この計画の目標は、活動現場の厳しさが増す消防士に対して、より信頼できるヘルメットを開発することだ。特徴は、軽量性、通信装置、フェイスシールド、バイザー、赤外線撮影、照明、熱や銃弾からの保護などの各機能を想定している。

現在の消防士は、状況により、防火用と防弾用の2種類のヘルメットを携行する。同ヘルメットの設計方針は、消火用防護の規格「NFPA 1971:2018」と、米国司法省の防弾に関する「NIJ level IIIA」規格の双方に準拠することで、耐熱性と防弾性を確保する。

素材については、現状の消防士ヘルメットに使用されるポリエステル樹脂をケブラー繊維で補強する。ケブラー繊維は融点が約560℃と高く、防弾ヘルメットや防護服への有効性が証明されている。

プロトタイプの完成後、2023年半ばには運用上の実地評価を予定する。この評価には消防士が参加して、デザインや機能をあらゆる角度から評価する予定だという。

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Feature Article: Putting Our Heads Together for Firefighter Safety | Homeland Security

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