EEJA、真空レス・レジストレスでのダイレクトパターニングめっき技術を開発

田中貴金属グループの日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(EEJA)は2017年5月31日、独自に開発した表面処理薬液「感光性プライマー」「コロイドキャタリスト」を用いた新たなダイレクトパターニングめっき技術を開発したと発表した。

100℃以下の低温プロセスにおいて低抵抗で線幅5μm(マイクロメートル)という微細配線を形成できる。真空環境とフォトレジストを利用せずに配線形成が可能だ。PETフィルムやガラスなど、多岐にわたる素材や立体物の表面に微細配線を形成できるため、フレキシブルなディスプレイ、アンテナ、センサー等への応用が期待される。

配線プロセスはまず、基板に感光性プライマーを塗布した後、金属パターンを施す範囲へUV照射によって露光し、アクセプターの補足能力を除去する。その基板を、アクセプターに吸着する能力を持ったAuナノ粒子を含有するコロイド溶液に漬けることで、プライマー表面のアクセプターにコロイド溶液中の Au ナノ粒子が吸着する。その後、形成したい金属種の無電解めっき液に漬けることで、プライマー表面に固定された Au ナノ粒子に沿ってめっき液に含まれる金属が析出し、金属パターンが出現する仕組みだ。

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次世代の金属配線形成技術としては、プリンテッドエレクトロニクスなどの印刷技術を用いた電子回路やデバイスの形成技術が期待されている。従来技術の課題として「低温での配線形成」と「配線の低抵抗化」の両立が困難だった。本技術は100℃以下の水溶液から金属結晶を析出させて配線形成するめっき法であるため、低温プロセスで低抵抗な配線を形成できる。

本技術は、6月7~9日に開催される「JPCA Show 2017(第47回国際電子回路産業展)」で参考展示される予定だ。EEJAは感光性プライマー、コロイドキャタリスト、無電解めっき液のサンプル出荷を2017年中に開始するとしている。

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