月額3000ドル以下の産業用CTスキャナー、AIにより300倍以上高速化――米新興企業Lumafieldが開発

安価で使いやすい産業用X線コンピュータ断層撮影(CT)スキャナー「Neptune」を開発しているスタートアップ企業のLumafieldは2022年9月12日、資金調達シリーズBで3500万ドル(約50億円)の調達を完了し、併せてAIによる機能の大幅な向上も発表した。先に行われたシードおよびシリーズAの合計3250万ドル(約46億円)と合わせると6750万ドル(約95億円)の資金調達を達成したことになる。

従来のCTスキャナーは高額で使い方が難しかった。それに対し同社のNeptuneスキャナーは月額3000ドル(約42万円)以下から利用できる上に、非常に使いやすいものだ。

NeptuneスキャナーでX線画像を撮影し、Voyagerソフトウェアによって、スキャンした対象物の外部および内部の特徴を非常に詳細に3Dで再現できる。このデジタルモデルにより、設計者やエンジニアはこれまで見えなかった製品の側面を視覚化し、測定することが可能となる。

また、AIを利用した簡単な設定により、誰でも最小限のトレーニングで使用することができ、専任のオペレーターは必要ない。Voyagerは、クラウド上で動作し、どのデスクトップのウェブブラウザからでもアクセス可能で、リアルタイムでデータを共有しながら作業することができる。

今回、同社はこのNeptuneスキャナーを300倍以上高速化した。ソフトウェアの新たな改良により、自動解析を行う前の再構成プロセスのうち特定のステップを省くことが可能になり、処理時間が短縮された。その結果、従来は数時間かかっていたスキャンを1分以内に実行できるようになった。これにより、製品開発ラボでの1回限りのスキャンから、大量生産工程での連続検査まで対応できるようになった。

同社は、この速度向上と低価格により、CTによる全数検査が可能になり、目に見えない問題を見つけられるようになったとしている。

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