古代の彫像、デジタル復元されたレプリカとしてモスルに帰還

イスラム国(IS)が、2014年から2017年のイラクのモスル占領中に、メソポタミア文明の貴重な考古学遺跡の数々を文化浄化として破壊したことは記憶に新しい。

破壊された多数の遺跡のうち、モスルの南東30kmにあるニムルド遺跡。ここにあったラマッス(Lamassu)像のレプリカが最新のデジタル技術を駆使して制作され、モスル大学に寄贈されることになった。ラマッスは、古代アッシリアのニムルド宮殿を守る人頭有翼獣。1845年頃にイギリスの考古学者 Austen Henry Layardにより発見された。

ラマッス像のレプリカは、1847年にHenry Layardがニムルドで発見した多数のラマッス像から1体をロンドンに持ち帰り、大英博物館に展示されている実物を基に作られた。レプリカを作製したFactum Arteはまず、高解像度3Dスキャナーでラマッス像の表面の3次元座標を精密に計測した。次に、計測値を基に高密度ポリウレタンで型を作り、それを使って大理石粉のスタッコ(化粧しっくい)でラマッス像の精密なレプリカを作製した。

ラマッス像のレプリカは、オランダのライデン国立古代博物館で2017年10月20日から2018年3月25日まで開催されるニネベ(チグリス川をはさんでモスルの対岸にあるアッシリアの遺跡)展向けに作られたものだ。展示終了後に大英博物館、アムステルダム国立美術館、Factum財団からの贈り物として、モスル大学のアッシュールバニパル図書館に寄贈されるという。

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