IBMは2018年3月、同社の年次イベント「Think 2018」において、塩の粒よりも小さな“世界最小”コンピューターを発表した。
海外メディアが伝えるところでは、“世界最小”コンピューターのサイズはわずか1×1mm。人間にはほとんど視認できない範囲に数十万個のトランジスターを搭載し、90年代のx86系CPUを積んだコンピューターよりも高性能になる。監視、分析、通信、データへの作用といった機能を備え、ブロックチェーンに利用できる。製造原価は10セント(約11円)を下回る見通しだ。
IBMによると、ある医薬品を調べたところ、人命にかかわるものだったにもかかわらず、ある国では70%近くが偽造品だった。マラリアのような深刻な病気にかかっても、偽薬を口にしている人もいるのかもしれない。
こうした医薬品のサプライチェーンは世界的な規模になり、複数の国を経由して薬を必要とする人の手元まで届くことになる。IBMは5年以内に、日常生活にかかわるあらゆる物に、今回発表した“世界最小”コンピューターのような技術が取り付けられるようになると予測。ブロックチェーン技術が普及するにつれて、医薬品などの製品が生産された地点から最終消費者の手元に届くまで、製品がすり替えられていないか、適切に扱われているかを確認できるようになるのではないかと予見している。
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