- 2018-11-2
- 技術ニュース, 機械系
- シチズンマシナリー, 主軸台移動形自動旋盤, 摩擦接合技術
シチズンマシナリーは2018年11月1日、加工後に残る残材を大幅に削減できる「摩擦接合技術」を開発したと発表した。材料コストやエネルギーの低減に貢献でき、工程集約によるコストダウンや品質安定化の実現に寄与するとしている。
主軸台移動形自動旋盤には、材料を掴む主軸チャック部と切削点を保持するガイドブッシュ間の材料が、切削できない残材として残ってしまうという長年の課題があった。同社は今回、残材と次に供給される材料を摩擦によって接合する「摩擦接合技術」を自動旋盤内に搭載することで、残材の課題を解消した。摩擦接合とは50年以上前に開発された技術で、摩擦熱により材料を軟化させてさらに強い圧力を加えることにより、材料同士の接合を行う。現在では自動車産業を始めとするさまざまな分野で利用されている。
通常、残材は機外に排出されるが、この残材を背面主軸または背面主軸側に設置する「接合用クランプ装置」でチャックし、次に供給される材料の先端と接合する。接合部の強度と接合の繰り返し精度も高く、接合は短時間で完了するため生産性も高い。
同社は、この技術を残材の削減に適用するだけではなく、棒材加工にも応用して既存の切削加工技術と融合させることで「異種金属が接合された部品」や「切削だけでは完成できない部品」など、自動旋盤ではできなかった部品の製造も可能になるとしている。