微生物発電による電流をプログラム制御できる材料を開発――「バイオハイブリッド」システムへの応用に期待

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Credit: ACS Applied Materials & Interfaces 2020, DOI: 10.1021/acsami.9b22116

独カールスルーエ工科大学(KIT)は、電気化学的に活性な「発電」するバクテリアを利用した「バイオハイブリッド」システムの実現に向けて、バクテリアが作る電子を効率的に伝導し、電流をプログラム制御できる材料を開発した。

他のバクテリアと異なり、「電子生成菌(exoelectrogens)」は電子を細胞外に放出することができる。KITのChristof Niemeyer教授らは、電子生成菌の成長を促進し、電気伝導を制御できるナノコンポジット材料の開発を目指した。

Niemeyer教授らが作ったナノコンポジット材料は、カーボンナノチューブとシリカナノ粒子をDNA鎖で編み込むようにして作られた多孔質ヒドロゲルだ。電子を生成するバクテリアに足場となるこの材料を加え、液体培地とともに養分を含む微生物を与えたところ、バクテリアは材料上でよく増殖して完全に浸透し、この材料はバクテリアが作った電子を効率的に電極に伝導したという。電気を遮断するには、DNA鎖を切る酵素を加えて材料を分解する。この材料の導電性や特性は、DNA断片のサイズや配列を変えることで調整可能だとしている。

研究成果は、科学ジャーナル『ACS Applied Materials & Interfaces』に2020年3月19日付で掲載されている。電子デバイスとバクテリアを組み合わせるバイオハイブリッドシステムは、燃料電池、バイオセンサー、バイオリアクターなど、さまざまな可能性を秘めており、プログラム制御が可能なバイオハイブリッド材料はさらなる応用の可能性もあると研究者らは考えている。

関連リンク

Harnessing the power of electricity-producing bacteria for programmable ‘biohybrids’
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