高密度コロイドガラスのシアひずみ時に発生するジャミング現象をシミュレーションで発見 大阪大

高密度コロイドガラスの安定性マップ

大坂大学は2018年12月8日、高密度コロイドガラスにおけるシアひずみに対して、コロイド粒子が渋滞を形成して流動化が阻止される「シアジャミング現象」が発生することを発見したと発表した。

コロイドは、マイクロメーターの大きさを持つ粒子の集まりだ。そのコロイドを分散させた溶液で、コロイド粒子の密度を高めていくと、やがてコロイド粒子が限られた領域でしか動くことができないガラス状態になる。さらに圧縮すると、粒子が全く身動きできない「ジャミング」と呼ばれる現象が発生する

ガラスのような摩擦のない状態でのジャミングは、従来圧縮などの体積(密度)のみが変化し変形を伴わない「垂直ひずみ」に対して発生するものと考えられてきた。

今回の研究では、体積(密度)変化させずに形だけを変える「シアひずみ」に関して、コンピューターシミュレーションにより詳しく解析した。その結果、場合によっては、ガラス状態でもシアひずみによってジャミングを起こし、粒子の流動化を阻止することがあることを発見した。これまで、このようなシアジャミングは摩擦のある粉体では知られていた。しかし今回の系には摩擦が無いことから、シアジャミングには摩擦が必須ではないことが明らかになった。

同時に、今回の現象を発見したのは非常に高密度の安定なガラス状態だが、低密度の不安定なガラスの場合は同様の現象が発生しないことも判明した。

今回の発見によって、ソフトマター(コロイド、高分子、生体分子などの柔らかい物質の総称)の力学的性質の基礎的理解が進み、材料工学の進展が期待されるという。

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