- 2019-3-1
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- Andrea Cioncolini, Applied Energy, deploy-and-forget, Jorge Silva-Leon, Mostafa Nabawy, マンチェスター大学, 環境発電旗
英マンチェスター大学の科学者は、風力と太陽光から電気エネルギーを生成する「旗」を作製した。
この旗は、フレキシブルな圧電性リボンとフレキシブルな光電池セルを組み合わせたもので、周囲環境の微小なエネルギーを電力に変える環境発電機の一種だ。この、いわば「環境発電旗」は、小型ポータブル電子機器に電力を供給することができ、大気汚染、騒音レベル、熱などの環境センサーに応用することが期待されている。詳細は、『Applied Energy』ジャーナルに掲載されている。
研究の目的は、安価で、設置したままにでき、メンテナンスが不要で持続可能な環境発電を提供することだ。「deploy-and-forget」として知られるこの方式は、スマートシティのリモートセンサーにも採用されると考えられている。
研究論文の筆頭著者のJorge Silva-Leon氏は、「風により旗がリミットサイクル振動として知られる反復運動で左右に曲がる現象は、圧電材料の変形による均一な発電に適している。ソーラーパネルには、環境光から電気を造る他に、その質量により、はためきを起こす役割がある」と、環境発電旗の有用性について述べている。加えて、論文の共著者のAndrea Cioncolini博士は、「風力と太陽光エネルギーは相互に補完する傾向がある。太陽は荒れ模様の日には輝かず、太陽の輝く日にはほとんど風が吹かない」と述べている。
環境発電旗は、様々な環境下で試験した結果、最大3~4mWの電力が得られた。研究論文の共著者のMostafa Nabawy博士によれば、この電力はμW~mWのオーダーで作動する省電力センサーに十分な電力であり、アビオニクス、土壌・海洋リモートセンサーなどへの応用が検討されている。
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