エルナーは2016年3月15日、折り曲げて組込可能なコネクタレス基板の新製品「Flexlayer-Hybrid」を発表した。車載製品等での利用を想定している。
同社の先行開発製品である「Flexlayer」は、部品実装後に折り曲げて電子機器の内部に3次元的に組み込め、かつコネクタ無しで基板同士の接続ができるプリント基板だ。省スペース化や接続不具合対策に寄与できることから、デジタルカメラなどに向けて開発されたという。
Flexlayer-Hybridは、このFlexlayerを強化し、車載製品に要求される温度や振動に対応したものだ。リジッド基材をコアとし、同社独自の製造方法によりフレキシブル材料で多層化。強度と曲がる機能を兼ね備えたハイブリッド構造となっている。
一般的に使用されるフレックスリジッド配線板の代替として利用できるが、屈曲部への表層配線が行えることや、低弾性のフレキシブル基材により「はんだクラック」を抑制する効果があることなど、従来のフレックスリジッド配線板にはない特徴も備えている。また、リジッド基材部の厚みを変えることで板厚要求に柔軟に対応でき、薄板限定のFlexlayerがカバーしていなかった機器にも搭載できるという。
用途としては、車載カメラやCMOSセンサ、ウェアラブル端末やデジタルカメラ向けなどが想定されている。既に試作品の生産、評価サンプルの提供が可能となっており、2017年度以降の量産に向けて受注を開始する。