- 2019-4-2
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- Donghai Wang, Nature Materials, デンドライト(樹状突起), リチウム金属電池, 固体電解質相間界面(SEI:Solid-Electrolyte Interphase), 米ペンシルベニア州立大学
米ペンシルベニア州立大学は、リチウム金属二次電池のエネルギー密度、性能、安全性を高めることのできる固体電解質相間界面(SEI:Solid-Electrolyte Interphase)を開発したと発表した。
電気自動車やスマートフォン、ドローン技術の発達に伴い、よりエネルギー密度の高いリチウム金属電池が求められているが、リチウム電極表面に形成されるSEIの安定性が、大きな課題だといわれている。同大学機械化学工学のDonghai Wang教授によれば、「この層は非常に重要で、電池の中でリチウムと電解液の反応によって自然に形成される。しかしそれはそのままでは、数々の問題を引き起こすものだ」という。SEIはリチウム金属電池の中でも解明されていない構成要素の1つだが、SEIの劣化は、電池のリチウム電極から成長し、電池の性能と安全性に悪影響を与えるデンドライト(樹状突起)の発生に寄与するという。
Wang教授は、「相間界面が不安定なことが、リチウム金属電池が長持ちしない理由だ。このプロジェクトでは高分子複合材料を使って性能のよいSEI薄膜を作成した」と、語る。このSEI薄膜は、高分子リチウム塩、フッ化リチウムナノ粒子および酸化グラフェンシートから成る反応性高分子複合材料でできている。開発に貢献したThomas E. Mallouk教授によれば、このポリマーはリチウム金属表面に鉤爪のような結合を形成するように反応する。そしてリチウム表面と電界質中の分子が反応することを防ぎ、複合材料のナノシートはリチウム金属からデンドライトが生じるのを防ぐ物理的障壁となる。
ペンシルベニア州立大学の研究論文は、学術誌『Nature Materials』に掲載されている。Wang教授は研究成果について、「安定性の増したSEIにより、現在の電池の2倍のエネルギー密度があり、安全で寿命の長い電池を作ることが可能になる」と、その成果を説明している。
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