住友電気工業は2019年3月26日、内径溝入れバイト(切削工具)である「SEC-溝入れバイトSSH型」を開発し、2019年4月より販売を開始すると発表した。
自動車産業などの各種機械部品の加工では、回転軸にくぼみをつける溝入れ加工が広く行われている。中でも、小物部品の内径溝入れ加工では、切りくずの排出が難しく、部品内に切りくずが滞留することがあった。さらに、工具が振動しやすいため、加工面を悪化させるなどの問題点があった。
そこで、同社は今回、優れた切りくず排出性能と高い剛性を持つSEC-溝入れバイトSSH型を開発した。同工具では、チップブレーカの形状設計により、切りくずの形状/流出方向を制御。優れた切りくず排出性を実現した。内部給油対応ホルダのため、切りくず排出の効果を高めることも可能だ。また、ホルダボディに超硬素材を採用。加工時の振動を低減し、高品位な加工面が実現できる。さらに、鋭利な切れ刃形状設計と高密着で平滑なコーティング膜を組み合わせたことで、長時間にわたる切れ味の維持が可能になった。それにより、工具の交換まで加工面に発生するムシレを抑制。抜群の加工品位を実現するという。
SEC-溝入れバイトSSH型のラインアップとして、最小加工径Φ8mmはホルダ6アイテム、インサート26アイテム、最小加工径Φ14mmではホルダ8アイテム、インサート32アイテムを用意。標準価格は、ホルダが税抜きで3万9800~7万1500円。インサートが3850~4600円と設定している。また、販売計画として、初年度5000万円、次年度1億円の売上げを見込んでいる。