太陽光で成層圏を1年間飛び続ける――高高度長時間滞空型無人飛行機「PHASA-35」が初飛行に成功

イギリスのBAE Systemsは2020年2月17日、高高度長時間滞空型無人機(HALE)として開発中の「PHASA-35」の初飛行に成功したと発表した。太陽電池とバッテリーを使って、成層圏を最大1年間飛行可能で、従来の航空機と衛星の間をつなぐ、画期的な無人飛行機(UAV)として期待される。

PHASA-35は翼長35mで、重さ150kg。昼間は翼に取り付けた高効率の太陽電池、夜間は長寿命のバッテリーで駆動し、高度6万5000フィート(約2万メートル)の成層圏を最大1年間飛行できる設計だ。

設計製造はイギリスのPrismaticと共同で行い、20カ月で試験飛行にたどり着いたという。初飛行はイギリス国防科学技術研究所(DSTL)とオーストラリア国防科学技術グループ(DSTG)の支援を受けて、オーストラリア空軍(RAAF)のウーメラ試験場で行われた。

公開された動画では離陸後、翼の下の車輪を切り離し、プロペラを回転させて飛行して、再び滑走路に着陸する様子が分かる。

持続的で安定的なプラットフォームとして、地上や海上の監視、災害救助のほか、5Gなど通信ネットワークにも利用できる可能性がある。衛星を使った従来のサービスよりコストがかからないというのもメリットだ。

2020年後半にも試験飛行を予定しており、完了後12か月以内に顧客と初期運用を始められるとしている。

関連リンク

Ground-breaking solar powered unmanned aircraft makes first flight
PHASA-35 Infographic

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