- 2020-5-15
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- Brigham and Women’s Hospital, GitHub, iPad, Spot, UV-Cライト, トリアージ, ボストン・ダイナミクス, 新型コロナウイルス
ボストン・ダイナミクスは2020年4月23日、よく知られたロボット犬「Spot」をモバイル遠隔医療プラットフォームとして活用し、医療提供者がリモートで患者のトリアージを行えるようにしたと発表した。最前線の医療従事者の新型コロナウイルスへの曝露を減らすことができる。
同社は、ここ数カ月で医療機関から「医療スタッフの新型コロナウイルスへの暴露を最小限にするため、同社のロボットを利用できないか」という問い合わせを受けていたことを明らかにした。ある病院では、1週間で医療スタッフ6人が新型コロナウイルスに感染したとし、可能な限り多くのスタッフを感染圏内から遠ざけられるよう、ロボットの利用を検討してきた。
同社の発表によると、iPadと双方向無線を搭載したSpotを使って、医療従事者がトリアージ用テント内にいる患者を遠隔でビデオ診断するというものだ。医師は遠方から、例えば自宅にいながら患者と話すことができる。また同社は、ロボットを病院向けに再設定するためのハードウェアとソフトウェアをオープンソースとし、GitHubで公開している。
同社のtwitterによると、トリアージロボットとなったSpotが、マサチューセッツ州のBrigham and Women’s Hospitalで稼働し2週目を迎えたところで、看護スタッフが感染リスクに曝される時間を最小限に抑えられているという報告があり、勇気づけられたとしている。
今後、医療提供者のトリアージをさらに支援するために、リモートで追加のバイタルサイン情報――体温、呼吸数、脈拍数、酸素飽和度――を測定したり、ロボットの背中にUV-Cライトなどを取り付けて、病院のテントや地下鉄の駅などでウイルスを除去、消毒する機能など、開発を続けているとのことだ。